訃報

 

 

同業者、取引先とは交流を持たない。

 

持たないじゃなくて、変り者なので相手にされないといった方が正しいかもしれない。

 

 

おかげでなんのしがらみもなく、ここまでやってこれた。

 

 

 

昨夜、訃報。

 

 

同業で唯一親しくさせていただいたF氏が亡くなった。

 

彼もまた、団体にも属さず、群れない、媚びない、自分の信念に基づいて行動するだけ。

 

 

初めて会ったときから同じ匂いがしたと言ってくれたのが、とてもうれしかった。

 

 

彼の店は、僕が目指すお店の理想そのもの。

 

 

 

ずっと、師匠だった。

 

 

 

電話で、力のない声で手が震えてさぁ、調子がねぇ・・・

 

 

飯でも食べにおいでよ。

 

 

これが、最後の会話。

 

 

お見舞いに行かなきゃとずっと思ってた。

 

 

でも、その姿を想像すると怖くて行けなかった。

 

 

今夜、京都に向かいお別れをしてきます。

 

 

 

 

いつもの優しい笑顔の記憶のが上書きされそうなので、顔は見ず手を合わせるだけ。

 

 

 

 

寂しくなるなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年6月15日掲載