長かった日
長かった日。
8時50分。看護師さんと車椅子を押して、手術室の前で。
じゃぁ、頑張って。
ここでずっと待ってるね。
大きなドアが開き、なんとも不安そうな顔で入って行く母。
自分のことで、神頼みをすることなんてないけど。
先日はどれだけ神様にお願いしたことか。
食事をしてても、本を読んでても落ち着かない。
17時。
無事終わったと。
集中治療室で、まだ麻酔で眠っている母をみて安堵と涙。
小さく細い、たった36Kgほどの体重しかない母の体に、痛々しくたくさんの管がつけられ、静かに心臓が鼓動している様子を手を握りながら確認できた。
もっと長生きしてほしいと思い、手術を勧めたが本当にこれでよかったのか。
不安だっただろうに、怖かっただろうに・・・
2016年1月27日掲載